謹賀新年
Posted 高宮かやの / 2012.01.04 Wednesday / 00:46
元日の朝は早い。どのくらい早いかと言えば、まだ年が明けていないくらいだ。
実際にはまだ十二月三十一日、大晦日なのだから。
「寒い、ねえ」
隣でヒーターに手をかざしながら、柚季が眠たそうに言った。とはいえ、眠そうなのはいつものことだから、本当に眠いのかどうかいまいち分かりにくい。
「何かこう言うと申し訳ないんだけどさ、あたし夜中の初詣ってしたことないんだ。混むのかな?」
「うーん……、おっきいとこは、混むよね。うちはご近所さん、とかがメイン、かな。山向こうは最近、織櫛に行くひと多い、みたい。あ、あと――ちかちゃん、似合ってる」
「ありがと。柚季はさすがに着なれてる感じだね」
ということで現在地は社務所である。で、あたしたちは揃って紅白の装束を着ていた。こういう恰好もなかなかする機会がないし、バイト代も出るし、寒さと眠気だけ乗り越えてしまえば、まあ何とかなるのだろう。
「あ、そろそろ時間。ちかちゃん、準備、へーき?」
ほいほい、とあたしはひとつ頷いて立ち上がる。
実際にはまだ十二月三十一日、大晦日なのだから。
「寒い、ねえ」
隣でヒーターに手をかざしながら、柚季が眠たそうに言った。とはいえ、眠そうなのはいつものことだから、本当に眠いのかどうかいまいち分かりにくい。
「何かこう言うと申し訳ないんだけどさ、あたし夜中の初詣ってしたことないんだ。混むのかな?」
「うーん……、おっきいとこは、混むよね。うちはご近所さん、とかがメイン、かな。山向こうは最近、織櫛に行くひと多い、みたい。あ、あと――ちかちゃん、似合ってる」
「ありがと。柚季はさすがに着なれてる感じだね」
ということで現在地は社務所である。で、あたしたちは揃って紅白の装束を着ていた。こういう恰好もなかなかする機会がないし、バイト代も出るし、寒さと眠気だけ乗り越えてしまえば、まあ何とかなるのだろう。
「あ、そろそろ時間。ちかちゃん、準備、へーき?」
ほいほい、とあたしはひとつ頷いて立ち上がる。