ra*ka

勢いの無さに定評のある似非文芸ブログ。

ひのさか#41「み」

Posted 高宮かやの / 2007.06.13 Wednesday / 23:16

 盛大に非常ベルが鳴ったのは木曜日二時間目、うちのクラスでは日本史Bが机上に開かれている時間だった。避難訓練の類か、と一瞬思うも教壇のあいちゃんが不穏な表情を見せている。
「一応、逃げる準備だけしといてー」
 言って、あいちゃんは教室を出ていく。窓から階下を覗いてみると、わらわらと飛び出していく生徒たちが見えた。

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ひのさか#40「め」

Posted 高宮かやの / 2007.06.09 Saturday / 02:43

「――そいえば、決まりそうなんですか?」
 コーヒーにミルクを入れて、くるくるとマドラーを回しながらうちは言った。
「ん、ああ指定校?」
「ですです。一年経ったら愛の巣に押し掛けるつもりなんで、ちゃんと長続きさせるよーに」
「あ、それな」
 思い出したように遠野さんが言う。
「ほ?」
「俺ら受験組に変わりました」
「はぁ?」

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ひのさか#39「ゆ」

Posted 高宮かやの / 2007.06.08 Friday / 04:11

「んや、言いたいことは分かりますけど」
「なら早く直して」
「それはヤです」
「何で」
「だって本扉とズレるでしょ。そもそも時期的にマズいの分かってんじゃないですか」
 遠野さんが放り投げた紙束を受け止めて、うちはその顔を睨み付ける。座っていてもやや見上げる形になるのがちょっと不本意ではあるけれど、この際構っていられない。

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